専業・兼業主婦の逸失利益
専業主婦の逸失利益は、女子労働者の平均賃金を基準として算定されるのが原則です。昭和49年7月19日の最高裁判決で認められ、以後実務において定着している判例です。家事従事者とは、配偶者や子、両親等の家族のために炊事、洗濯、介護、買物等の家事を行う人を指します。自分自身の家事については、家事労働に含まれません。
会社員として働きながら家事に従事するいわゆる兼業主婦については、給与収入と女子労働者の平均賃金の高い方を基準収入とします。給与収入と家事従事者としての評価額の両方をもらうことはできません。
2020年の女子労働者の平均賃金は、381万9000円とされています。なお、60歳以上の方の場合は、同年代の女子労働者の平均賃金が基準収入とされるのが通常です。