自営業者の逸失利益

自営業者の方は、過去数年分の確定申告書に基づき逸失利益を算定することになります。自営業者の場合、売上額の変動幅が大きいことが多く、一概に売上減少が交通事故によるものであるとは言えないため、給与所得者と比べると所得減少額の立証の難度は高くなります。事業の性質や事業主の代替性、売上の季節的変動要因といった様々な要素を考慮して逸失利益を算定することになります。

相当程度の収入がある場合で、事故による所得減少額が算定困難なときは、全労働者の平均賃金を基準に逸失利益が算定されることもあります。

なお、事業の代表者であっても事業が法人化されている場合は、個人の所得と法人の所得は区別され、法人から支給されている給与を基に給与所得者として逸失利益を計算することになりますが、実質的に個人事業者である事業主が法人化している場合には、法人と個人は、同一視されることがあります。

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